⑰声だけで話さない

タイトルを見ると大体の人は察知がついているだろう。

その予想は当たっている。

面白い人というのは声だけでは話さないのだ。

声プラス身振り手振りを入れて話すのだ。

場合によっては身振り手振りを入れない場合もあるが、

自分の話をしている時や、ふとした会話の中でも身振り手振りをすることが多い。

私も何気ない会話の中で身振り手振りを行う。

正直言ってこれは癖なのだ。

じっとして話をするというのは、とても難しいように感じてしまう。

リラックスする為に身振り手振りをしているのかもしれない。

あと、この身振り手振りは無意識的に行っている場合と、

意識的に行っている場合がある。

この意識的と無意識的の違いというのは、

マジでウケを狙ったり、盛り上げる必要があるときは意識的にしている。

ここでこのモーションをした方が分かりやすい。

こういう顔をしてこういったモーションをするなど、本気の時は意識している。

ただ、ちょっとした会話や雑談の時は、無意識的に行っている。

では、なぜ身振り手振りをした方が面白く話せるのか?

正直言って私は分からない。

でも、面白い人や話術のある人は身振り手振りが多い気がする。

私は科学者じゃないのではっきりとしたことは言えないが、

恐らく、頭の回転だったり、頭の中を整理しやすくする効果があるのではないだろうか。

そんな効果があるような気がする。

あと、もう一つ考えられるのは、

自分自身の話のリズムを取っているような気がする。

会話というのはリズムやテンポというのがとても重要だ。

自分に合ったリズム、テンポで話すというのはとても重要なことなのだ。

あまり一般の人は意識したことがないと思うが、

話というのは自分に合ったリズムやテンポが存在する。

分かりやすく言うと、早口の人と話すのが遅い人の違いである。

そのため、身振り手振りを駆使して、自分なりのリズムやテンポを取っているのかもしれない。

ここで一つだけ話下手な人に助言しておこう。

話というのはカラオケに似ている

キー、音程、リズム、

カラオケでいうととても重要なところだ。

キーがずれていてもダメ。

音程がずれていてもダメ。

リズムがずれていてもダメ。

何か1つでも合わなければ、聴けたものではないのだ。

私が思うに「話」をする時もこの3大要素が重要だと思う。

カラオケを歌う時、難しい曲は選ばないと思う。

キーが高すぎる曲はもちろん、リズムの速い曲などである。

これは自分に合っていないから難しいのである。

男の人が女の人の歌を歌えないのはキーが高いからであり、

逆に女の人が男の人の歌を歌えないのはキーが低いからである。

これは話をする上でも言えることである。

しかし、難しいことに話というのは、

キーのずれ、テンポのずれ、音程のずれ、

というのを理解するのがとても難しいのである。

カラオケというのは素人でもある程度は分かる。

採点機能などを使えば一目瞭然だ。

半音だけのずれなどは分からない人が多いと思うが、

大きくずれているのなら気づけると思う。

もちろん、絶対音感の持ち主やプロのアーティストは半音でも4分の1音でも気づけると思う。

しかし、話というのはそうではない。

自分に合っていない話し方をしていても普通の人には分からないのである。

なぜなら、話において採点機能というものは無いのだ。

そして、正解のキーや音程、リズムなど存在しないのである。

ではなぜ、私が話の中のキー、音程、リズムのずれに気づけるのか。

それは単純なことである。

聞いていて「気持ち悪い」からである。

「気持ち悪い」という表現はちょっと過激かもしれないが、

言い換えるなら、「もったいない」のである。

「この言葉の前にもっとキーを上げといた方がいいのに」

「ここはもっとリズムを早くした方が、スムーズにオチ(サビ)に入れるのに」

と思ってしまうのだ。

一番分かりやすく言うのであれば、

自分が同じ話をしたときにどういう風に話すかということである。

ただ、一概には言えない。

その人のキャラや、話の内容というのも関わってくる。

同じ話だとしても、その人によって話というのは変わってくるのだ。

何気ない話も、話す人が話せば「すべらない話」になってしまうのだ。

ここで1つアドバイスをしておこう。

「聞いた話を、自分が他の人に話すつもりで聞く。」

これは、トークスキルを上げる為の、とても良い方法だと私は思う。

もっと言えば、

本当に誰かに「聞いた話」をしてみると、よりスキルは上がっていくと思う。

これは文の添削に似ていると思う。

話というのは文だけではなく、先ほど挙げたリズムやテンポなども関わってくるので、

リズム、テンポなども添削しなければならない。

「ここはこう表現する」

「ここの順番はこっちの方が分かりやすい」

など自分で話を添削していくのだ。

そして、自分の話にしていかなければならないのだ。

もちろんこれは「聞いた話」だけに当てはまる訳ではない。

自分が体験した話なども、もちろん自分なりに添削していかなければならない。

そういった添削をしていくと自ずと身振り手振りをつけた方が、

伝わりやすかったり、表現しやすいことに気づくと思う。

無理に身振り手振りをつけろという訳ではない。

身振り手振りをつけない方が話しやすい人はつけなくても良いと思う。

しかし、会話というのは聴覚だけではなく、視覚でも聞いているというのは、紛れもない事実である。

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